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あなたらしい朗読をみつけましょう。

声や語りはその人の人生そのものです。
だから、決まりごとはありません。
いっしょに言葉の 
旅 に出かけましょう。

永六輔さんの言葉「ごんべん」の話

中西君の舞台はどんなものかと聞かれたら、私は言偏(ごんべん)の芝居って答えるんですよ。これほどごんべんが豊かな芝居はない。まず「話」。客席に話しかけます。そして「語」りかける。ここで「吾」というか中西君の主観が入ってくる。彼は昔のものを読みますから「読」が入ってきます。そして「説」きます。地図を説いたり説教を説く。それから「評」。いろいろ批評しますね。これがいろいろ混じってて面白いんですが。ところどころに「訛」もあります。それに「講談」。これは講談そのものです。さらに中西君は節をつけますから「詠」と「謡」の両方が登場。つまり彼の芝居には、あらゆる芸能の語りの技術が入っている。そして、その全部でこの物語が「論」じられています。
 これだけのことがやれる役者というのは、僕の頭の中では小沢昭一なんですね。その小沢昭一の芸風、考え方を見事に受け継いでいるのが中西君じゃないかと思うんです。これだけ誉めたら、アイツくしゃみしてるんじゃないかなぁ。


(NHK芸術劇場中西和久ひとり芝居「しのだづま考」解説より)

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